猫の気持ち


ひょんなことから2匹の猫と1泊を過ごしました。
2匹の猫を飼う友人の家に泊まったときのことです。
これまで猫と暮らしたことがないので、未知の体験にやや不安もありました。

私が玄関に現れるなり、1匹が突進して頭をゴシゴシと足にすりつけてきました。
その勢いと激しさに、歓迎か迎撃か判断つかねて戸惑いましたが
友人いわく、お気に入りのしるしだということで、少しばかり安心しました。

ホッとしたのもつかの間、もう1匹が鋭い眼光をこちらに向けています。
いまにも飛びかかってきそうなその迫力にたじろぎましたが
気に入らない訪問客には容赦なく攻撃を繰り出すとのことで
何が気に入られたのかもよくわからず、とりあえず第一関門を通過できました。

その後も、1匹からは、ことあるごとにゴシゴシとしたアプローチを受けつつ
もう1匹は、われ関せずの雰囲気を醸し出しながら時折こちらを眺めていました。
2匹の猫を眺めていると、同じネコでも違うもんだなと興味深く思いました。
身近に接したことがなかったのですが、性格の違いとでもいうものでしょうか。

ちなみに人間は、乳児のときからすでに気質の違いがあるとされています。
活動性や積極性、環境への順応性や敏感さ、自己表現などです。
気質と環境の相互作用によって性格は形成されると言われていますが
もしかすると、人間と同じようにそういうものがあるのかもしれません。

ともかく、2匹の猫は、わが道を行くと言わんばかりに動きまわっていました。
こんなにも素直に生きられたらいいなと少し羨ましくもあり
猫との交流もいいもんだなと思いました。

ただ、翌朝、目覚めたとき、2匹の猫が間近でまちかまえていたのには
さすがに焦りましたが...。